以前、石嶺和彦という野球選手がいました。
阪急、オリックスを経て最後は阪神に在籍。
現在は沖縄にて社会人野球チームの
監督として活躍されています。
好き嫌いはあるでしょうが、
学ぶべきことが多いので
落合博満さん関連の本を読むことが多い私。
落合監督時代に打撃コーチをされていたので
石嶺さんの話が掲載されていたのですが
読んでいてなるほどなって
感心した話があったのでご紹介。
現在はアマチュアの若い選手に
日々指導されている石嶺氏。
時代も変わる中での始動では
現在っぽい悩みというか思いもあるようで
こんな話をされていました。
『若い選手を指導するのは面白いですよ。
今、youtubeでいろんな映像が
見られるじゃないですか。
若い選手に情報が入りすぎているんです。
ああいう映像はたいがい難しいボールを
難しく打っている打ち方が出ているんですよ。
うまいこと打ったなぁ、のほうが
絵になるじゃないですか。
選手はそれがスタンダードな打ち方だと思うから
練習で急に変な打ち方をし始めたりする。
昨日と打ち方が違うなと思ったら、
誰かのまねをしている。
試しでやるのはいいんですよ。
ただ、スター選手がそこにたどり着くには
やってきた過程があるのに、
そこを無視してサラッとできると思っている。
「何百万円しかもらってないんだから、
いきなり何億円の選手をまねるより、
5000~6000万円の選手の映像を見なさい、
と言ったら、そのくらいの選手の映像は
あまりyoutubeにないんだね。
だから、まずは1回、言うことを聞きなさい。
その過程を説明するから」と。
「お前らよりオレのほうがうまいんだから、
打つことに関しては1回聞きなさい」とね(笑)。』
なるほどな~って思いました。
手軽にしかも無料で
情報が手に入れられる時代になり
とても便利になりましたが、
発信側が善意な人ばかりでないのも事実。
都合よく発信側の考えに洗脳していく…
そんな意向が強いのも
結局は、商売の延長ならば仕方ない話。
とは言え妙に納得させられるのも
向こうの方が一枚も二枚も上なわけで
そうなればある程度の自己防衛は
やっておかないといけないわけです。
石嶺さんの話じゃないけれど
最初に具体的に検討する前に
ニュートラルな考え方を教えてくれる人に
出逢えるかどうかが大事なのでしょうね。
でもこれって昔から変わらない大事な話。
偏った意見ばかりで凝り固まる前に
表も裏も最初にきちんと教えてくれる人に
出逢えるかどうかがポイントだとすれば
結局は「信用」できる人に出逢えるか否かが
何事も大事なことに気づきます。
「これまでにこんな実績を出された」
といった事実に基づいて、
人は相手を「信用」するのですが、
決断するかどうかは
過去の実績は関係なくて、
叶えてくれそうな期待感に基づく
「信頼」で判断するのが事実。
(だから口先の詐欺師に
騙される人がでてくるわけです。)
でも「信頼」させようとする人の話の方が
聞いてて面白いし魅力的だから困ったもの。
その人に「信用」できる背景が
あればいいですが、よくよく聞いてたら
そうでもないこともしばしば。
だから結果、軸や根拠がなくて迷ってしまう。
情報が簡単に手に入れられる現在だからこそ
もしかしたら今まで以上に
一番最初こそ「信用」できる人の話を
聞くべきなのかもしれません。
そしてその「信用」できる人は
スマホやPC画面の中に登場してくる人より
自分の周りに実在している
自分が「信用」している人からの
情報かもしれませんね。
ちなみにそれを昔から
私たちは「クチコミ」と言っています。
ネットでもお客様の声が重宝されます。
誰もが「クチコミ」を参考にしますが
その「クチコミ」を言っている人が誰なのか
発信者が曖昧だと胡散臭いのも事実。
具体的に誰からとわかれば
その情報を信用できますが、
匿名だったり、知らない人からだったり
そもそも存在してるかもわからない声なら
そこには偏った意見に細工されてることも
多いと思わざるをえなかったりします。
その辺りに気づけるためにも
最初はニュートラルな考え方を
知ることが大事だと思うわけです。
ただ「信用」できる人からスタートして
頭の中を整理してからの
「情報」や「作戦」「考え方」においては
ネットの活用がいいのは
言うまでもありませんので
誤解なくよろしくお願いします(笑)。
※今回は「証言 落合博満」より
内容を抜粋させて頂いています。