正しい実行力をつける

かれこれここ10年以上、
毎年1回は読み返している本に
「学問のすすめ」があります。

福沢諭吉さんが書かれた
当時の日本人の1割が読んだとされる
大ベストセラー本。

確か小学校の教本として書かれたので
文章は読みやすくわかりやすい。

「天は人の上に人を造らず
人の下に人を造らず」
と言った言葉だけが有名なわけですが

自分自身を見つめ直したり、反省したり
気づきのなる言葉は満載で
今も人生のフォームチェックのために
読み直してたりします。

その中で今回改めて沁みた言葉を
書いてみたいと思います。

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時代の若者たちよ、
他人の仕事を見て物足りないなぁ、と思えば、
自分でその仕事を引き受けて、
試しにやってみるのがよい。

他人の商売を見て、下手だなぁ、と思えば、
自分でその商売を試してみるのがよい。
隣の家がだらしない生活をしていると思えば、
自分はしっかりと生活みてみよ。

他人が書いた本を批判したかったら、
自分で筆をとって本を書いてみよ。
学者を評しようとするなら、学者となれ。
医者を評しようとするなら、医者となれ。

非常に大きなことからとても細かいことまで、
他人の動きに口を出そうとするならば、
試しに自分をその働きの立場において、
そこで反省してみなければいけない。

あるいは、職業がまったく違って
その立場になれない、というのであれば、
その働きの難しさと重要さを考えればよい。

違った世界の仕事であっても、ただ、
その働きと働きを比較することができれば、
大きな間違いはないだろう。

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こういったことは日常の中で
思いあたる場面が多々あることに気づきます。

PTAや子ども会の運営に納得いかないのなら
非難せずに自分がやってみて
内容を変えていけばいいのに。

部署同士でお互いを攻め合うのなら
相手の仕事を実際やってみて
うまく方法を教えてあげたらいいのに。

社員が全然思ったようにしてくれないと
うまく行かないせいを社員にするのなら
社長が自らやってみて結果が残せる方法を
はっきりと形にしてあげたらいいのに。

痛いところつかれたら
「そんな暇は私にはない」
「私たちがやるべきことではない」
「以前やったことがあるからもうやらない」
「いつまでも差し出たことをしてたら
あいつらは成長しない」とか言われるけど

実際やって結果を出して
そのやり方をきちんと伝えて
成功体験をさせてやらねば
やっぱり相手からしたら
聞く耳もてないのが現実だと思います。

ただ偉そうに言ってみても
自分にも身に覚えがある話なわけで(苦笑)。

だからこそたまに読んで触れてみて
自分自身を見直せる機会は
意図して作っておきたいわけです。

皆さんにもそんな本とかあれば
またこっそり教えてください。

姑が戒めとすべき鑑は遠くにあるのではない。 自分が嫁だった頃にある。

先日のとある雑談でのこと。

社長になってしばらく経ったある方から
「社長としてこれから社員に
どんなことに気をつけたらいいのか?
どんなことにしてやればいいのか?
又どんなことをしないようにしたらいいのか?
どう思われますか?」と尋ねられました。

勿論、社長の人としてのキャラもあれば、
会社の規模や社員さんの人数等もあるので
万人に共通して言えないかもしれません。

なので、確か福沢諭吉さんの
「学問のすすめ」に書いてあった話を
例え話でしてみました。

それは
「姑が戒めとすべき鑑は、
遠くにあるのではない。
自分が嫁だった頃にある。」って話。

要は、姑が息子のお嫁さんと
うまく付き合っていきたいのなら
昔、自分がお嫁に来てから
姑にされて嬉しかったことを
息子のお嫁さんにしてあげればいいし、

ケンカしたり、イジメたいなら
昔、自分がお嫁に来てから
姑にされて嫌だったことを
息子のお嫁さんにしてあげたらいい。

それと似ていると思いますとお話したら
笑いながら納得してくださいました。

要は、自分が新人の頃や若かった頃に
社長や上司にされて嬉しかったことを
してあげたら頑張ってくれるし、
言われて嫌だったことを言ったり、
やられて傷ついたことをしたら
スタッフのみんなは辞めていくだけです。

今の若い子はすぐ辞めるって言われますが、
育てるってことを昔の言い伝えの如く、
獅子が我が子を谷に落とすことのように
「自分で考えさせないと成長しない。」
と言って、何の指導も手助けもなく
本人に任せっきりにしていませんか?

それは多分、みんな辞めますよ(苦笑)。

そもそも若い社員に
成功例を見せてあげるわけでもなく
成功体験もさせてやらないのに
若い子が育たたないと言うのは
どれだけ無責任な発言か?

まずはつきっきりで教えてあげて
何回も成功パターンを体験させてあげること。
それをやらないのに成長だけ望むのは
やっぱり厳しいと思います。

即戦力が入社してくれるなんて
実際は奇跡に近いわけですし、
誰の力も借りずに成果を出す
奇跡の即戦力は悲しいかな
もっと条件のいい大手に行くのが現実。

そして何よりの話、
我が子を谷に落とすと言われている
獅子(ライオン)は実際、我が子が
谷に落ちたら助けにいくそうですから(笑)。

甘やかすことがいいとは思いませんが、
自分が手本を見せてあげないうちは
なかなか人は育たないものです。

親の如く、手をかけて育ててくれたからこそ
その人が将来、自分を助けてくれる人に
なってくれるのではないでしょうか?

そこまで恩がなかったら
先でお金次第になるのも仕方ないのが
本音ともいろんな人を見て思います。

「自分が戒めとする鑑」

福沢諭吉の言葉
「姑が戒めとすべき鑑(かがみ)は、
遠くにあるのではない。
自分が嫁だった頃にある。」

この言葉って
世の中のいろんなことに
言い換えられるのではないでしょうか?

「親が戒めとする鑑は、
自分が子どもだった頃にある。」

「先生が戒めとする鑑は、
自分が生徒だった頃にある。」

「社長が戒めとする鑑は、
自分が社員だった頃にある。」
(だから、二代目や跡取りは、
一社員からの経験がないと
将来的にいけないわけです。)

自分が強い立場に立った時、
権力者と言われるようになった時、
偉い人になったと自惚れた時、
まるで自分は神になったと錯覚した時、

そうでなかった昔の経験や想い出を
思い出せる経験がないということは、
成功者と言われるような人であればあるほど
もしかしたら人生において
不幸なのかもしれないですね。

自分たちも昔は学生だったはずなのに、
その時言われてムカついたはずなのに、
サラリーマンが居酒屋で騒ぐ学生に向かって
「働いたこともない学生の分際で
生意気に酒呑んで騒いでるんじゃねぇよ。」
と文句言ってるのも同じですね(笑)。
今のサラリーマンは、
もうこんなこと言わないのかな・・・・。

私の好きな言葉で
この言葉に意味がよく似ている言葉あります。
「船長も船員の一人であることを忘れるな。」

船長だから自分はルールを守らなくていい。
自分を都合よく、特例にした瞬間に
相手は言うことを聞いてくれなくなります。

昔の自分は、今の自分を戒めれる鑑であるよう
相手を抑え込むのではなく、
相手と対話で理解しあえるよう
そんな大人になりたいですね。

今年で48歳。
目標は、50歳までになります(笑)!