一貫性と柔軟性

今日、7月13日は我が家の誕生日。
誕生日というのは引っ越してきた日です。
9年前の今日、この地で生活が始まりました。

我が家のリビングの真ん中には
構造上必要ない柱が立っています。
普段は私の背中をかくことのみに
利用されていますが(笑)、
この柱には娘たちの身長を
刻みこむために立てました。

毎年正月と7月13日に計っていて
今年も刻み込みました。
娘たちが健康で成長してくれていることに
心から感謝したいと思います。

さて、今日は一貫性と柔軟性のお話。

スタンフォード大学の実験結果によると、
人間はひとたび決定を下すと、
一貫した行動をとる傾向があるそうです。

物事を達成するためには
「一貫性」も「柔軟性」も必要ですが、
どっちに重きを置いたほうが
いいのかと言えば、答えも様々でしょうが、
まずは一貫性のほうから
何事も始まるように思います。

そんなこと思いながら
一貫性という言葉をWikipediaで見てたら
興味深い話が載っていました。

『人は自身の行動、発言、態度、信念などに
対して一貫したものとしたいという
心理が働く。
この心理を「一貫性の原理」と呼ぶ。
この心理の根底には、
一貫性を保つことは社会生活において
他者から高い評価を受けるという考え、
複雑な要因の絡み合った社会生活での
将来的な行動決定においてより
簡易に行動を決定することができるなどの
要因があるといわれる。』

確かに一貫性のある人のほうが
評価されています。
ただ、読み続けていくと
その一貫性をとろうとする心理を利用した
ビジネスのテクニックが書かれてありました。

基本的なテクニックな分、
ご存じの方も多いので詳細は書きませんが、
「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」
「返報性の法則」などがその例です。

Wikipediaを読む中でその先に書いてあった
「ローボール・テクニック」っていう話を
読んでいて昔を少し思い出しました。

私は以前22年間、住宅営業をしていました。
ありがたいことに多くの方の家づくりの
お手伝いをさせて頂きました。

仕事していく中ではもちろん
他社と合い見積もりになるようなことも
多くありましたが、そんな時によく
相手の会社にこのローボールテクニックを
使われて、嫌な気持ちになったものです。

これは一貫性の原理を利用したもので、
悪い条件を隠しておいて、顧客が購入を
決定した後で条件を出す手法。

「弊社は先方の内容と同じですが、
300万円安い1500万円でできます。」と
言って、意思決定をさせ商談が進んでから
「実は・・・」と言って価格をあげていくもの。

他人事なら「そこで断ったらええやん!」と
思われるでしょうが、
実際、当事者になるとそうでもありません。

一度、買うと決めたらその決定を覆してまで
キャンセルしようとはしないものです。
まさに「一貫性の法則」を利用したもの。

結果、当初より大きな変更も追加もないのに
何百万円も高く買うことになります。
後で、価格が高くなったといった話も
昔多かったですが、今も少なくありません。

「おとり広告」にも似てますとも
書いてありましたが、本当、その通りです。

競合では契約したもん勝ち。
所詮、断られた側の
負け犬の遠吠えなのでしょうが、
これは売り手の都合なだけで、
お客さんにとってのものでない以上、
こういったケースで他決されたときは
いつも嫌な気持ちとお客さん大丈夫かな?と
気になって仕方なかったです。

詐欺師や勧誘テクニックとして
今も利用されていて
住宅販売でもまだまだこの手の売り方を
している会社はたくさんあります。

高額な分だけ価格は大事ですが、
判断基準の一番が価格なときに
概ね起きているように思います。

そんなときは自分自身の行動は
一貫性を保とうとしているだけではないか?
後出しで知った情報を
そのまま時間だけ遡ったら
最初の要求を受け入れていただろうか?と
自問自答することがよいと
書かれていましたが、

私なら合い見積もりする会社が
仮に3社あるとしたら
価格が安い会社を3社残すのではなく、

自分が建てたい家を建ててくれそうな3社、
何より実績、提案を含めて
信頼信用ができる3社といった基準で
検討して頂きたいと今でも思っています。

一貫性をもつという考え方は
とても大事ですが、
時に柔軟性をもって
自分を客観視できることを
忘れないことで一層、その一貫性は
筋が通ったものになるのではないでしょうか?

9回目の我が家の誕生日の今日は
改めて家族のことを考えてみます。
夜、娘たちは習い事でいませんが(笑)。