現場を知るということ。

最終的に 人の上に立つ人ほど
下積みから経験しないといけないと
思っている私の考えは古臭いのでしょうか?

第一線を経験するというか
やっぱりお客さんとの最前線に立ったり
現場の事実を知らないと
ピント外れになりかねないと思っています。

島原隆志さんの本を読んでて
そのことを改めて感じた瞬間がありました。

「それから私は、
自分が売りたい商品は
メーカーさんに行ったり
実際に食べたりするようになった。

揖保乃糸は、生産農家に
朝4時から見学に行ったよ。

粉を練って、うどんくらいの太さから
どんどん細くしていくんだ。
おばあさんが寒い中、
コツコツとその作業をしているのを見たら、
揖保乃糸を安く売れなくなったよ。

価値が分かったからね。
商品に惚れるとはこのことだ。」

商品に惚れろ、商品に自信を持て。

確かに正論だし、言うのは容易いけど
本当に惚れるって言うことは
現場で見ないとわからないのが事実。

跡を継いだ2代目が売上を落としたり、
従業員が去っていくことの大半は
傷つかずに育てられてきたケースや
挫折を避けてきたケースで
圧倒的に起きていると思っています。

それはお客さんに気持ちや
スタッフの気持ちよりも
自分のやりたいことだけを優先するから
やっぱりついてはいけないものです。

概ね、聞く耳は持っていないし
関係者より部外者の意見ばかりに
耳を傾けがちだし・・・・。

時代や価値観が変わってきたので
今の時代に修行や
丁稚奉公までは肯定しませんが、

結果的に人の上に立つ人であればあるほど
若いうちに第一線で働いたり
現場をたくさん見て
知っておかないといけないですね。

余談ですが、揖保乃糸は私の地元の名産品。
とても美味しい素麵です。
機会あれば是非皆さん食べてください。
ちょっと高いけど値段以上の旨さです(笑)。

今どんな天気なのか、どんな風が吹いているのかを知る。

皆さんには憧れと言うか
生きていく上で参考にしている
そんな理想像な人っていますか?

私は以前にも何度か書いたことありますが
大学の卒論でも書かせてもらった
元プロ野球監督の根本陸夫さんって言う方です。

カープ、ライオンズ、ホークスで
黄金期を迎える直前に基礎を固めた元監督。
その根本さんのことを書いた本は
今でも定期的に読み直すことがあります。

そんな中、元西武のチームリーダー
石毛宏典さんとのやりとりを読んでて
改めてこの歳になり、
ハッと気づかされたことがありました。

それは野球選手であっても
スーツが似合う男になれって話の中で
石毛さんが、野球選手ならユニフォームか
ジャージじゃないのか?と答えた時に

おまえの同級生は年収300~400万円
おまえは年収1億円超えるような今だから
根本さんはこんな言葉を言われたようです。

「そうだなぁ。
野球人は温室の中に入っているから、
外が暑いのか寒いのか、
どんな風が吹いているのか、わかんねえだろ。

シーズンオフはお前の同級生、仲間と
一緒に飯を食え。
お前の仲間は時代とともに生きていて、
今どんな天気なのか、
どんな風が吹いているのか、
そうしたことをよくわかってるはずだから、
たくさん話をしてこい。」

石毛さんは当時は若すぎて
よくわからなかったけど、この言葉を

「野球バカじゃダメなんだぞと。
スーツを着て人と会う場所に行ったら
野球とは違った視点で自分を見つめられるし、
社会を見つめられる。
そうやっていろんなことを知りなさい。
一般常識を知りなさい、
社会のことを知らないといかんのだ。」
と歳を重ねて気づかされたとのことでした。

我々でも歳を重ねていくと
仕事絡みの付き合いが多くなり、
一般社会の中と言うよりかは
かなり狭い世界でしか物事が見えなくなりがち。

ましてや偉くなったり、
金持ちになったり、出世していくと
一般社会で生きてる人たちとは距離が開き
感じ方も何も違う世界になります。

商売相手や地域の関わりでは
住む世界が変わり目線も感じ方もかけ離れて
ピントが合わなくなるのに

何故か自分たちは
相手の気持ちが理解できるといった
大きな勘違いをされている人も多々いますよね。

偉くなればなるほど
温室のように囲われた世界から出て
ましてや自分の商売相手が
外の世界の人たちを相手にしているのなら

もっと外に出て会話し触れ合わないと
ピント外れ、的外れな裸の王様になってしまう。

とすれば、そうやって
外にも出ていく人の意見に耳を傾けるか、
自ら外に出ていき一般社会も触れていくか、
そうしないといけないことに気づかされます。

下積みをしたことない人は
下積みしている人の苦労は理解できないし
おそらく敬意は持てないことが多いでしょう。

そんなリーダーの下はしんどいです。

責任をとることなく歳を重ねた人は
いい歳になっても責任は自分のせいでなく
誰かのせいにしかできないしょう。

若い頃、あんな上司にだけは
なりたくないと言ってた
そんな上司になっていることでしょう。

年収が5000万だの1億円だのになれば
一般的な年収400万円の人の気持ちに
寄り添い理解することは至難の業でしょう。

なのに自分は理解できると思えば思うほど
ピント外れな提案しかできず、
しわ寄せがどこかに行くのでしょうね。

思いやりがあり情け深くある反面、
どこか冷静で客観視できていた根本さんの
そんな生き様にはいまだに刺激を受けます。

もう亡くなられて随分経ちますし、
簡単にお逢いできるような
そんな立ち位置の人ではありませんが、
できることなら一度、お目にかかり
お話してみたかったと思う私の憧れの一人です。

今回は髙橋安幸さんの「根本陸夫伝」
~プロ野球のすべてを知っていた男~より
抜粋させて頂きました。

やることがないのなら やらなくていいことでも やったほうがマシという考え

最近、改めてしみじみ思う事。

仕事にせよ何にせよ、
思い通りにうまくいかない時は
多々ありますよね。

仕事だと余計に焦ってくるし、
成果がでていないと悩んで
とりあえず何でもやってみたほうがマシだと
何でもやり始める人がいますが、
実はこういう人ほど
うまくいかないんじゃないかって
最近思うことが多いです。

やることがないのなら
やらなくていいことでも
やったほうがマシって考え。

これって実は大間違いで、正解は
やらなくていいことはやらない方がいい。
まさにその通りだと思います。

やらなくていいことを
深く考えずにやり始めてしまうと
それに費やした労力や時間が
無駄になることを嫌い、

やることが明確になった時にでも
やらなくていいことを辞めずに執着します。

専門用語でサンクコスト効果
(投資したお金や時間をもったいないと考え
損することが分かっても辞められないこと)
なんて説明されてもいます。

わかりやすくいったら
パチンコがまさにこれの代表例(笑)。

ボーッとしてるよりマシですが
なまじっか行動してしまうと
肝心な時にムダを手放せなくなるとしたら
結果的に何をしているのかわかりません。

時代が変われば
変えていかないといけないことはあります。
不変であるべきこともありますが
やり方や表現は概ね 変わっていって当たり前。

成功例であればあるほど捨てきれず
執着して自ら上手くやれない方向へ
進んでいる人が多いのも事実なわけです。

ボーッとしてるのは問題外ですが
まずは何をやるべきかをじっくり考えて
そして行動にいち早く動けることが
とても大事だと思うわけです。

他人のことはよくわかるけど
自分のことは気づけないものですが、
見直してみることから始めることが
もしかしたら変化の第一歩かもしれませんね。

許される人 許されない人

先月、テレビやネットでよく見た不倫騒動。
落ち着くどころか泥沼化していますね。

この騒動に個人的に
どうこう言うこともないのですが、
改めて思ったことがあります。

それは不倫に限らず
似たような問題を起こしても
許されて何もなかった事になる人と
全然許されない人に分かれるってこと。

この違いって何なんでしょう?

改めて自分に置き換えてみて思ったのは
要は言ってることとやってることが違うと
他人は許してくれないって気づきました。

今回のような不倫騒動で見直してみれば
過去、不倫をしてもそれほど責められずに
沈静化した芸能人って日頃から

「不倫しない」とか
「自分はいい父親だ」とか
「家族が第一の人生だ」とか
はっきりとした言葉でなくても
態度や行動でアピールしてない人達で、

でも、許されない人って
いい親のキャラで売ってたり
ベスト〇〇賞を受賞していたりして

日頃から不倫なんて私はしませんといった
メッセージをどんな形でも発信してた人達。

もっとストレートに言えば
不倫しないようなイメージでいることで
お金儲けをしていた人達は
どうも許してもらいにくいって思います。

要は、行動の良し悪しではなく
言ってることとやってることが違うと
なかなか許してもらえないってことですね。

生きてりゃいろいろあるので確かに
本音と建て前くらいの使い分けなら
それほど不快には思わないですが、

発言と行動がはっきりと違っていると
なかなか信用は回復できないですし、
何より嫌われるのが人付き合いです。

モラハラの世界でも
他人の前ではいい人を演じるのに
裏で見せる顔は別人って相手に
悩まされているケースが本当、大変。

なにより見せる顔が違うので
周りから理解してもらえないことが一番
被害者を苦しめることも多いですから。

とすれば日頃から
発言と態度を一致させることが
何より周りの理解を得られるとしたら
正直丁寧に生きることは大事ですね。

改めて肝に銘じることにします。