「セ・パ・ラフィネ」

今年もあと2日。
1年は早いですね。

今年もたくさん本を読みました。
いろんなものから刺激と学びを得ますが
私はやっぱり読書が一番、
身に染みて得られる気がします。

今年最後に読んだ本は「三流シェフ」
シェフ三國清三さんの自伝でした。

多くの困難を 皿洗いと
鍋磨きから突破していく様に
今の我々が忘れかけている何かを
思い出させてくれる気がしました。

様々な経験を積んでいく三國さんに
カリスマ三つ星シェフ シャペルさんが
伝えた言葉「セ・パ・ラフィネ」

直訳すれば 洗練されていない。

フランス料理において
フランス人三つ星シェフにも負けない
三國さんの料理を食べて言った一言。

これは素晴らしい料理だけど
フランス人のマネをしている
フランス料理にすぎない。
この料理に三國さん自身がいない。

そのことを指摘され言われた言葉が
「セ・パ・ラフィネ」

このエピソードがとても胸に刺さりました。

まずは誰かのマネをすることで
人は成長していきますが成長した先には
自分のオリジナリティがないといけない。

似たような他の誰かとは違う個性がないと
最後は認めてはもらえない。

そう思った時に自分自身の個性や武器、
魅力はいったい何なんですか?と
改めて考え直さないといけないことに
ハッとしたのでありました。

今年最後にいい本を読めました。
まだまだ人生勉強中ですので
来年もいろんな刺激と学びを
得ていきたいと思います。

今年も一年ありがとうございました。

決まりを作って明文化して共有するということ。

今年の大河ドラマが
鎌倉時代が舞台だったこともあり
令和の今頃になって初めて
遅ればせながら最初の武家法である
「御成敗式目」を読んでみました。

内容を知ってビックリ。
今でいう刑法の考え方や時効、
納税、相続についてなど
今の時代にもつながる考え方が
武士たちが戦争をしていた鎌倉時代に
もう存在していることに驚きました。

御成敗式目が施行されてから
争いも減ってきたとも書いてありましたが
読んでいたら本当、納得します。

あらかじめ決まりやルールを作っておき
それを明文化して共有する。
令和の時代でも大切なことです。

明確にしていないと過大解釈する人間がいて
組織って誰かにしわ寄せがいくものです。
リーダーにしわ寄せが行く分はヨシとしても
だいたい行くのはどこの世界も弱者の方。

やっぱり人が残っていく組織は
報酬がいいこともあるでしょうが、
きちんとルールがあって
守られているからと思います。

ルールがない組織が分かるコツは
えこひいきされている人がいる場合に
分かることが多いのが感想です。

組織に特例が蔓延りだすと
去っていく人が増えるのが事実。

そう思ったらいつの時代も
同じことが起こって、
同じことに悩んだりする。

時代が変わると新しい方法や新しい考え方が
生まれてくるものですが、
根っこはそう変わらないのも
事実なのかもしれませんね。

そう思えば、自らを特例にして
都合よく運営しようとはせず、

自分は船長ではあるけれど
船員の一人でもあることを肝に銘じて
きちんと決まりをつくった御成敗式目は

室町時代にも江戸時代にも今の時代にも
790年も引き継がれていった
そんな決まりに成りえたのでしょう。

歴史って面白いな・・・
改めてそう思いました。

人を誉めることの意味

先日、目にすることがあり
50歳になって今更ながら改めて、
山本五十六さんの言葉が身に染みています。

山本五十六さんは元 元帥海軍大将。
リーダーとして手本となる指針や言葉を
数多く残されています。

一番有名な言葉は
「やってみせて 言って聞かせて やらせてみて
ほめてやらねば 人は動かじ。」

リーダーは部下にまず手本を示してやり
言葉で伝えてまずチャレンジさせてみる。
そして結果だけで評価するのではなく
チャレンジしたことを誉めてやらないと
継続してやってみようとは
たぶん誰も思わない。
そんな風に私は解釈しています。

言うのは簡単ですけど難しいですね(笑)。
でもこの言葉は続きの方が更に大事。

「話し合い 耳を傾け 承認し
任せてやらねば 人は育たず。
やっている 姿を感謝で 見守って
信頼せねば 人は実らず。」

人は教わる立場から教える立場になった時、
昔の立場を忘れてしまったかのように
若い頃、あんなリーダーには
なりたくないって思ってた姿に
自ら近づいていくような気がします(苦笑)。

山本五十六さんにはこんな言葉もあります。

「実年者は今どきの若い者などということを
絶対に言うな。
なぜならわれわれ実年者が若かった時に
同じことを言われたはずだ。
今どきの若者は全くしょうがない、
年長者に対して礼儀を知らぬ、
道で会っても挨拶もしない、
いったい日本はどうなるのだ
などと言われたものだ。
その若者がこうして年を取ったまでだ。
だから実年者は
若者が何をしたかなどと言うな。
何ができるかと
その可能性を発見してやってくれ。」

人を育てるって
本当に手がかかって、面倒くさいもの。
でも自分達も昔そうやって
育ててもらったとしたら
怒らずに叱りつつ、何より誉めてやる。

次の世代へバトンを渡すことも
自分の仕事の中で
ウエイトが大きくなってき始めしたら
「人を誉める」ってことは
自分にとっても相手にとっても
大きな意味があるように感じています。

子育ても一緒ですね・・・。

「群衆から笑いが起こるのは・・・・」

よほどのことがない限り、
人は大切な何かを伝えたいから
誰かに話をして伝えようと思っています。

会議での話も 学校の授業もそう。
商談の話ではもちろんだし、
友達同士で話している時も同じ。

日常会話や井戸端会議など
仮に傍目には無意味に見える雑談(笑)に
映ったとしても話している方は
大切なことを伝えようと思っています。

いいこと、正しいこと、役に立つこと。
聞き手はこんなことを知りたがってる。

だけどいくらいい話を熱弁しても
終わってしばらくしたら
ほとんど頭に残っていなかったりします。

話し手からしたらガックリきますが(苦笑)、
そんなときに今回のタイトルに続く
コメディアン、ジョンシャーマンさんの言葉が
ヒントになると思っています。

「群衆から笑いが起こるのは、
   それだけ熱心に聞いているしるしだ。」


「真面目なこと と面白いこと は相反する」
といった日本人の間違った思い込みが
この言葉の真意に誤解を招きがちですが、

面白く表現が出来たり
適切な比喩表現で伝えられることって
どのようなシチュエーションにも
活かせられるものだと改めて思うわけです。

知識や情報は 専門内の枠 の中では大事、
でも伝え方や話し方は 専門外の枠に
いろんなヒントがあるので
色んなジャンルに興味を持つことの重要さは
昔も今も変わらないような気がします。

ネットで情報は知れるけど
何故、新聞を読む意味があるのか?

アマゾンで買えば容易く手に入れるけど
わざわざ本屋に足を運んで立ち読みして
本を買いに行く意味があるのか?

時代の移り変わりや価値観の変換に
対応していくことは大事と思っていますが
だからといって昔の方法が
全く無意味になるわけではない。
これって大事なポイントだと思います。

※ジェニファーアーカーさん、
ナオミバグドナスさんの
「ユーモアは最強の武器である」より
参考参照させて頂きました。