リーダーの器

先日、面白い話を聞きました。

銀行の世界で
「成功する支店長」と
「失敗する支店長」の違いは何か?
といったお話。

以前の金融関係の仕事が勢いがあった頃。
銀行は各地にまず営業所を作って、
軌道に乗れば営業所は支店と変わり、
所長は支店長になっていったようです。

所長は営業所立ち上げするときに
それまでの店舗から部下を一人自分で選んで
連れていけたのですが、
成功した支店長は同じような理由で
人選をしていたとのこと。

どんな人を連れて行ったと思いますか?

成績が優秀な人?素直な人?とか
いろんな人物像が頭を浮かびましたが、
成功した支店長が連れて行った人は
意外にも「一番嫌いな部下」だったようです。

もちろん致命的な問題がある人とか
人としてどうしようもないのは別でしょうが、
一番嫌いな部下は、だいたい考え方や
性格が違う人であることがほとんど。

気が合い同じ方向を向いている部下の方が
なにかと楽ではありますが、
見落とす部分や新しい発想が生まれにくい。
馴れ合いになったり
お互いが気遣えなくなることもしばしば。

何より一番嫌いな部下を連れていくのは
傍目に見ても器量がある証拠。
結果、支店長として成功して
本店に戻っていくわけです。

方向性や方針が確立されている組織なら
同じような価値観の人もいいでしょうが、
新しく道を築いていくときは
違う方向を見ている人も多い状態なら
方向を定めていくためにも配慮や
緊張感もあって成果がでるのでしょう。

「組織はリーダーの器以上にはならない。」

この言葉も同じような意味だとすれば
自分の器を広げるためにも
嫌いな部下をも受容できることには
歳だけ食った親分にならないためにも
チャレンジしないといけないですね。