またまた、大型台風接近中。
去年、大型台風は0回だったのに
今年は5度目の接近。
これも猛暑がその原因の模様。
大きな被害が出ないように願います。
やっぱり技術を教える人は
経験者で実績をだした人でないと難しい。
そして、ずば抜けた実績を出した人は
普通の人とは考え方、取り組み方が
違うなって話を書きたいと思います。
どの世界にも名将というか
名監督というのはよく耳にしますが、
名コーチは意外と少ないように思います。
80年ほどの歴史あるプロ野球界でも
名監督はたくさんいますが、
名コーチと呼ばれる人は数人といったところ。
その中でも打撃に関しては
中西太さんが群を抜いて名コーチと
評価されているのではないでしょうか?
選手時代の実績も
首位打者2回、本塁打王5回、打点王3回
(内、3冠王を僅差で逃す2冠王4回!)
と素晴らしく、
ショートがジャンプして取れなかった球が
そのまま本塁打になったとか、
打席に立つ前にバットを素振りしたら
相手ベンチにまで焦げた匂いがしたとか、
他球団の年間本塁打数以上に
個人で本塁打数を上回ったとか
もう漫画みたいな話が盛りだくさん。
監督としては
優しい性格が災いしたとも言われ
なかなか実績はだせませんでしたが、
教え魔として有名で
乞われてコーチにいくこと7球団?
8球団?にも及びます。
教え子には
日本人通算打率1位 若松勉さんや
ミスタータイガース 掛布雅之さん、
メジャーリーガー 岩村明憲さん、
2000本安打 宮本慎也さんがいます。
「ボールを呼び込んで下半身で打つ」
「バットを内側から出す」
といった教え方が有名です。
さて、ここから本題です。
そんな中西さんの打撃術は
実は一風変わっていたようです。
多くのバッターは
「内角高めの一番早いストレートに
振り遅れないようにしておいて、
変化球が来たらそれに対応する。」
ようにしてバットを構えます。
でも、中西さんは
「外角低めの遅い変化球を予想しておいて、
内角高めに速いストレートが来たら、
腰の回転ではじき返せ。」と
真逆のことを言われていたようです。
教え子であった若松さんに
「それでは絶対に振り遅れます。」と
異を唱えた野球記者もいましたが、
若松さんはこういわれたようです。
「考え方が逆なんだよ。
内角高めストレートに照準を置くと、
外角変化球が来たとき、
体勢を崩され泳いでしまう。
外角変化球に照準を置いておくと、
最後まで体が前に突っ込まない。
慣れると次第に内角高めのストレートに対し、
体が素早く反応できるようになる。
そうすれば打率3割を打てるようになる。
いや、そうしなければ3割は難しい。」
中西さんがオリックス打撃コーチ時代に
所属したイチロー選手も
「自分は変化球にタイミングを合わせておいて
ストレートについていく。
それが理想だと考えている。」
と言われています。
また、この打法は先述の岩村さんや
教わった杉村打撃コーチが現ヤクルトの
山田哲人選手に伝えていきます。
イチロー選手は日米通算4000本以上打ち、
山田選手は2年連続トリプルスリー達成と
ずば抜けた結果を出されているのです。
(野村克也 著
「私が選ぶ名監督10人」より抜粋)
一般的な考え方、取り組み方では
同じような結果しか出せませんが、
実績を出すには、違う角度から
物事を見れないといけないことがわかります。
昔に見た、
人としてはさておき(笑)、
結果を出している住宅営業マンの中には
お客様と出逢ったときからずっと
「契約してください。契約してください。」
と連呼していた人がいました。
ただ、その営業マンは
実績は毎月、出していたのです。
「そんな下品な真似はできない。」
「なんであんなので売れるんだ。」
と思っていましたが、
実は、これはやり方や言い方がまずいだけで
「テスクロを逢うたびに実施する。」
といった基本を忠実にしていたわけです。
嫌うお客様もいたでしょうが、
契約してくれるお客様もいたわけで、
そんな営業スタイルの真実を
そういうことだったのかと感心したのは
私は35歳を過ぎてからでした(笑)。
このバッティングのお話でも
要は、そうやって取り組めば
体が最後まで突っ込まないわけで
それは
「ボールを呼び込んで下半身で打つ」ことを
忠実に行なうための方法だったわけです。
一見、とんでもないように見えて
実は理にかなっている技術。
これをきちんと教えられる人は
確かに名コーチであったと思うのです。
「お客様には誠心誠意お付き合いする。」
「嘘はつかずに正直にいい物を提供する。」
このような考え方は
いつの時代も大切で、
普遍的・不変的な考え方です。
それをどう伝えるか
どう取り組んでいくかは様々で
その形は一概にこれでいいとは言えません。
見せかけだけに騙されず
ちゃんと理にかなった表現方法を
アドバイスできる人こそ名コーチであり、
そんな人に出逢えることこそが
ラッキーが出逢いなのかもしれません。
抜粋させてもらった野村克也さんは
ヤクルト監督に就任した
一番最初のミーティングで
「耳順」と言う言葉を
黒板に書かれたようです。
そして、最初に選手がメモした
ノートの1ページ目には
「耳順(人の言うことを逆らわずに
素直に聴く)の気持ちを持って、
ミーティングに出て欲しい。
(野村監督の話)」
と書いてあったそうです。
そんな名コーチに出逢えることも
そもそも「耳順」の気持ちが無ければ
出逢えたことにさえ気づかないわけです。
そんな人間論が基礎なことが前提ですが、
今までとは違ったやり方、
考え方、取り組み方に出逢ったとき
食わず嫌いせず取り組めるような
そんな一選手の気持ちでいたいと思います。
そうしたら名コーチにも出逢えます。
そして何より、出逢えたことにさえ
気づかずに終わることはなくなるので、
ラッキーな出逢いが増えることになります。
耳順って言葉を大事にしたいと思います。