先日、名脇役といわれた
大杉漣さんが亡くなられましたね。
映画にドラマにバラエティに多数出演され、
あんまりテレビを見ない私でも
知ってましたからかなり人気の方でした。
ご冥福をお祈りしたいと思います。
しかし、名脇役といいますけど
主役も脇役がいてこそ存在できるわけです。
チームや組織であれ、
興行の世界であれ、
脇役がしっかりしてないと何事も上手くいかず、
何より主役こそ脇役が
引き立てるからこそ輝けるのに、
そのことを勘違いした主役のいる世界って
本当、長続きしていません。
会社でもそうですよね。
スタッフみんなのサポートがあってこそなのに、
俺が凄いから結果がでてると思ってる
社長や幹部、トップ営業マンがいる会社に
ロクな会社はありません。
とはいえ、結構多いから困りますけど(笑)。
人間、生きてりゃ誰しも
いつ何時でも主役になりたいですが、
自分のキャラや立ち位置を理解して
脇役を演じて主役を盛り上げてくれる人が
いるからその組織は強いのであって、
盗塁や送りバンドで舞台を整えてくれるから
長嶋さんも王さんも野村さんも
プロ野球の世界で主役を張れたわけです。
(もちろん、自分の人生は自分が主役ですよ!)
こういった脇役を語るときに
私はプロレスの世界が一番わかりやすいと
いつも思っています。
善玉がいて、悪玉がいる。
スター選手がいてヒール選手がいる。
スターはいつも歓声をあび、
ヒールはいつも罵声をあびる。
ところがどっこい、実はプロレスって
ヒールの選手こそが本当に技術がないと
試合はグダグダになります。
誤解無く言わせてもらえば、
スター選手なんて見栄えさえよければ
極論、誰でもさせれるけど
試合運びをコントロールするヒール選手こそ
誰しもできるわけでもありません。
馬場さんしかり
武藤さんしかり
海外遠征の時にはヒールをしていた選手こそ
試合運びが上手く、お客様を呼べる
花形のスター選手なわけです。
プロレスが一時衰退したのも
複数スター制にしたからでしょうね。
そもそも一人のスターをみんなで神輿で担いで
盛り上げるからこそ面白いのに
「俺もスターになりたい」と言って
何人もなったから面白くなくなったわけです。
昔のように大部屋で食事をして
そのまま寝たりする団体活動だからこそ
いろいろなことが分かり合えたのに
個別で食事をして、
個室で寝るようになって
お互いがお互いを理解しあう機会が
減ったことも衰退した要因でしょうね。
会社でも 打上げ が減ったり、
一緒に御飯を食べたりする機会が減ると
相互理解においては
難しくなったりしていませんか?
時代は変わったといえ、
大事なことや見誤ってはいけないことは
そうそう変わるものでもないですから
本当に強い組織を作りたいのなら
なにもかも今までを否定するのも
結局、遠回りな気がします。
こんなこと言ってたら
プロレス話が書きたくなりますが、
長くなるので今日は辞めます(笑)。
でも、小出しでたまには書きます!
とはいえ、最後にもう一つ。
子供のころに大嫌いだった悪役レスラーに
上田馬之助さんがいるのですが、
大人になり、いろんな経験を経てきたら
実は奥の深い凄い人だと分かりました。
「野球は筋書きのないドラマと言うけれど、
あれは試合をしながら監督が
筋書きを書いているんだ。
だから野球は面白い。」
「どうして、力道山がスターだったか?
それはみんなが力道山を持ち上げて
スターにしたからだ。」
「私たちがリングで戦っているのは
相手ではない。お客様だ。」
確かこんなことは言われてました。
プロである以上、私は
技術や見た目より
「お客様を呼べることが一番」と思っています。
個人だけでできればいいですけど、
そんなスターばっかりではありません。
でも、チーム内で主役も脇役も
みんなが一致団結して
みんなでスターになることは可能なわけです。
そんなチームをつくるお手伝いこそが
私のやりたいことだと、
こういった話をするたびに
いつも思う森下です!